シーリングの工程が終わったので、塗装工程に入っていきます。
塗装工事は、基本的には3回の塗装が必要になり、それぞれ下塗り、中塗り、仕上げ塗りと言います。
下塗りの工程では、よく耳にする「シリコン」や、「フッ素」といった、塗料本材ではなく、下塗り材と呼ばれる塗料を使用します。
下塗り材にはいくつか種類があります。
一番よく使われる下塗り材が「シーラー」という塗料で、塗料本材と外壁材をくっつける役割を持っています。この塗料を塗らずに塗装をすると、塗料が外壁材とくっつかないため、塗膜がすぐに剥がれてしまいます。
また、外壁材によっては(触るとポロポロと外壁材がとれてしまうような素材に多くみられます)、経年劣化によって表面にとても細かい空洞ができてしまっており、毛細管現象という、空洞に液体が吸い込まれる現象が起きてしまう事があります。
職人さんがたまに外壁が塗料を吸い込むと表現する事があり、それはこの現象の事を言っているのですが、この吸い込みによく使われるのがシーラーになります。この時にしっかりシーラーを吸いこませずにいると、塗料本材を吸いこんでしまい、外壁と塗膜の中に隙間ができ、割れやすくなってしまいます。
外壁の凹凸を無くすための塗料としてよく使われる「フィラー」という塗料もあります。また、シーラーの効果も持った微弾性フィラーという種類もあり、小さなひび割れが多いお家の下塗り材としてよく使われます。
他にも、金属性の素材に塗装する際には、「錆び止め」という、錆びの発生を抑える塗料を使用したり、状態によって複数の下塗り材を使用する事もあります。