和瓦屋根の漆喰工事の注意 漆喰は詰め増し工事ではなく、取り直し工事を行いましょう。
今回は漆喰の工事について紹介します。
漆喰は日本家屋の和形の屋根に使われています。
この写真中央を走る棟の、下に入っている白い部分がです。
この漆喰はお家の美観に関わる他、瓦の下に入っている土が流れてしまわないよう塞ぐ効果があります。
瓦の下の土を葺き土というのですが、葺き土は瓦を固定するために入っているため、瓦が外れやすくなってしまったり、屋根がでこぼこになってしまって瓦が噛み合わなくなってしまったりします。
ですので、漆喰はできる限りきれいな状態を保たなくてはいけないのですが、漆喰は時間の経過と共に少しずつ水を吸っていき、いずれは状態の劣化によって黒ずみ、ひび割れ、破損などが発生してしまいます。
7段ほど積んである棟瓦と地瓦の継ぎ目に、半円状の隙間が空いています。
ここに漆喰が入っているのですが、この写真の漆喰は黒ずんでしまっています。
漆喰は長く見ても20年ほどで劣化してしまうため、その都度直さなくてはいけません。
漆喰を直すためには漆喰の入れ替えをしなくてはいけません。
既設の漆喰を解体した状態です。
漆喰を解体すると中に土が入っています。
漆喰の入れ替えのためには、現在の漆喰を割って剥がしていきます。
その上から新しい漆喰を塗っていきます。
ここからが本題なのですが、漆喰の施工を行うために既存の漆喰を取り除いてみると、前々回の漆喰が残ったまま前回の漆喰の施工を行っている事があります。この施工は漆喰工事の意味が無くなってしまいます。
というのも、剥がれかけた漆喰の上から漆喰を新設したとしても、中の漆喰が剥がれてしまうのと同時に剥がれ落ちてしまうためです。
剥がれかけたテープの上に新しいテープを貼ってもそれほど長持ちしないのと同じですね。
なぜこのような事をするかというと、施工の際にかかる費用を抑えられるためです。漆喰を剥がす手間を省くことができればその分作業にかかる人件費などを抑える事ができます。
費用を抑える事ができるというのはお客様にとってもひびきの良い言葉なので選んでしまいがちですが、実際はあまり効果が無い工事ということになってしまいます。
また、本職の方で無い場合は、漆喰は取り直さなくてはいけないという事を知らない場合もあると思われます。
どちらにしても、納得のできる理由が無く、漆喰の詰め増しの工事を提案された場合、その業者の方に頼むのはあまりお勧めできません。
このように、漆喰を直す事一つとっても、注意するポイントはたくさんあります。
このような注意するべきポイントを教えてくれる職人は信用できる方だと思いますので、小さな工事でも親身になって相談に乗ってくれる方に頼みましょう。
少しでも屋根について気になることがありましたらお気軽にお問合せくださいませ。
【2023.07.05追記】
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