この2点は代表的な平板スレート屋根になります。
スレート屋根のメリットは、重量が軽いことから耐震性が高いこと、屋根材の色合いが豊富で選ぶことができる事です。
その反面、デメリットは塗装のメンテナンスが定期的に必要なこと、耐久性が低いことです。
塗装のメンテナンスを行っても、数年で再び塗装が必要になったり、上下・左右の勘合部でペンキの目詰まりが発生しやすく雨漏れの原因になる場合もあります。
そして、しっかりとメンテナンスを行っていたとしても、30年を過ぎると屋根材としての機能が低下して、改修工事が必要になってきます。
改修工事として、既存のスレート瓦を剥がさずに軽量の屋根材を重ねて張る
「カバー工法」があります。
こちらは「カバー工法」「重ね葺き」「重ね張り」等とも呼ばれています。
既存のスレート瓦を剥がさずに行うことで剥がす手間や工期がかさむことや費用面でもその分高くなるのに比べ、カバー工法は抑える事ができます。
ただ、カバー工法できる屋根材にも条件があります。
それは、「軽さ」です。
なぜなら、カバー工法を行うことで屋根材は2重になります。
その分、屋根の重量は重くなりますので、耐震性を考えなくてはいけません。
近年カバー工法で最も使われてるのが一番軽量な「金属屋根」です。
代表的なのが、アイジー工業の「スーパーガルテクト」やニチハの「横暖ルーフ」です。
ただし、現在では金属屋根以外の軽量瓦である、ケイミューの「ルーガ」なども人気な屋根材の一つになってます。
では次に、屋根カバーのメリット・デメリットをお伝えします。
メリットとしては、まず第一に先ほどもお伝えしたように既存のスレート瓦を剥がす手間がないことで施工費用が抑えられること。更には、手間が減ることで工期が短くなります。通常の葺き替え工事の約半分の工期でリフォームする事が可能です。
そして、2004年以前に製造されたスレート屋根材はアスベストが含まれていますが、アスベスト対策としても重ね葺き工事を選ばれる方は多くいます。
アスベストの撤去には資格が必要な事と、処分費用も高額になります。しかし、カバー工法で重ねてしまえば、アスベストが飛び散る心配もないのです。
では次に、デメリットです。
これは当然の事ですが、カバー工法をする事で屋根は以前よりは重くなります。
ただ、軽量瓦によるカバー工法であればさほど心配するような事はありません。
そして次に、既存の野地板を使用するため結露の影響が懸念されるような場合は野地板が痛んでる可能性があります。そのため、結露の影響がある場合にはカバー工法はおすすめできません。
以上の点がカバー工法のメリット・デメリットです。
次にカバー工法の方法ですが、カバー工法には2つの方法があります。
① 既存の屋根材の上にルーフィングを張りそのうえに屋根本体を張る方法