このお家の屋根は築30年でセメント瓦が葺いてありました。
セメント瓦という屋根材は、塗料とセメントを混ぜた材料で作られたものです。
セメント瓦はヒビが入りやすく、和瓦と違い8年~10年に1度は塗装が必要な屋根材です。
というのも、セメントという素材は、酸性の雨に非常に弱く、
アルカリ性が分解されてしまうと、強度が落ちてしまいます。
ですので、雨が直接セメント瓦に触れないように、セメント瓦の表面に塗装をする必要があるという事です。
しかも、一度強度が落ちてしまったセメント瓦を塗装しても、強度が回復する事はありません。
セメント瓦は40年前ぐらいの新築に多く使われていましたが、現在は廃盤になっている材料です。
セメント瓦の耐用年数は塗装を定期的に行ったとしても30年とされており、
セメント瓦の屋根が普及した頃からちょうど現在が耐久の限度となっており、
屋根の葺き替えが必要とされるお家が増えています。
勿論メリットもあり、屋根が重くなることで、強風に強くなるという点や、安価であるという点、
デザイン性が非常に高く、洋風なお家の屋根として欠かせなかったということもあります。
A様の瓦屋根は急こう配の為、中々屋根を点検する事が難しく、屋根瓦の手入れをするタイミングが分からず、
築12年頃に1度塗装をした後は、手入れができなかったそうです。
今回担当者も屋根の上からの点検は出来ませんでしたが、点検口より屋根裏の点検を行いました。
その結果、ルーフィングの破れによる雨漏れが見られました。
雨漏れは、たまに勘違いされる事があるのですが、屋根瓦の破損や、
屋根の中に水が入ってしまう事で起きるわけではありません。
屋根の中にある、ルーフィングや防水シートと呼ばれるシートに穴が空いてしまう事で発生します。
もちろん、屋根の中に水が入ってしまう事で防水シートは傷みやすくなってしまうため、
屋根材のメンテナンスは定期的に行う必要があります。
防水シートの交換工事を行う場合、屋根の中に防水シートがあるため、瓦などの屋根材を一度屋根から降ろし、
屋根に防水シートを敷きなおすという工事が必要になります。
これが一般的に言う葺き替え工事という工事です。
また、今回はセメント瓦だったのでできませんでしたが、
お家によっては、屋根材が平らで、屋根材を降ろさなくても、屋根の上から防水シートを敷き、
更にその上から屋根材を置いていく工事もあります。
これは、カバー工法や、重ね葺き工事という工事で、葺き替え工事よりも安価で雨漏りの修理が可能です。
このカバー工法は、瓦は凸凹があるのでできず、カラーベストやトタン屋根などで使用できます。
今回のセメント瓦の屋根の葺き替え工事では、
金属軽量瓦 アイジー工業のスーパーガルテクトに葺き替える事になりました。
金属屋根のへ葺き替えは非常に増えてきています。
金属の屋根材は日々進化しており、非常に錆びにくく、メンテナンス費用もかかりにくいという事もあり、
とても人気があります。
屋根材は他にも様々な種類があります。
・和瓦への葺き替え
セメント瓦よりもメンテナンス性が高く、漆喰の工事など、塗装よりも安価な工事でメンテナンスが可能です。
和瓦は現在でもよく使われます。和形のお家にはやはり和瓦が良いとお考えの方も多いです。
・平板瓦への葺き替え
瓦をビスなどで固定できるため、地震や台風の時も安心で、防災瓦などとも呼ばれます。
やや高価ですが、その安全性から人気のある瓦です。
・シングルルーフへの葺き替え
シングルルーフとは、防水シートと屋根材が一緒になった物で安価ですが、
年数の経過によって、軽いために台風の被害を受けてしまう可能性があります。
それでは金属瓦への葺き替え工事の様子を紹介します。