まずは屋根修理を行う前の点検の様子です。
左側の写真は地瓦なのですが、瓦の先端についている、ビスが抜けかけています。
和瓦は瓦同士を組み合わせて強い風に飛ばされないようにしていますが、先端などに瓦を固定するためのビスがついている事があります。
このビスが抜けかけているということは、瓦の飛散の可能性があるという事になります。
勿論、瓦同士が組みあっているので、問題が無い事も多いのですが、台風などの強い風が吹くと油断はできません。
この状態の屋根修理の方法として、ビスを打ち直せばよいだけだと考える方は多いと思いますが、
ビスが抜けかけているという事は、ビスの刺さっている木が弱っており、ビスが刺さらないという可能性も否定できません。
右側の写真は漆喰が黒ずんでしまっています。
漆喰には、屋根の中に入った水を外に出す役目があります。
ただ、このように黒ずんでしまっていると、漆喰自体が水を含んでしまい、雨漏れのリスクが高まってしまいます。
また、漆喰が無くなってしまうと、屋根の中にある、瓦を支えている土が少しずつ流れ出てしまい、屋根が歪んでしまう事もあります。
ですので、この状態はやや危険な状態であり、屋根の修理が必要な状態と言えます。
和瓦の屋根修理には大きく分けると3種類あります。
・漆喰工事
屋根の棟の下には白い半円の隙間が空いていますが、これが漆喰になります。
この漆喰を剥がして塗りなおす屋根修理になります。
・瓦止め工事
瓦同士をシリコンで繋ぎ合わせ、瓦が強風によって飛ばなくするようにする屋根修理です。
台風による被害が年々大きくなってきている今、需要の高い屋根修理です。
・葺き替え工事
屋根瓦を取り外し、防水シートを敷き直し、その上から新しい屋根材を乗せる大規模な屋根修理です。
屋根を取り換える事になるため、費用はかなりかかってしまいますが、お家の雨漏れを直すためには、この屋根修理が必要になります。
細かく分けると、割れてしまった瓦を新しい瓦に差し換える屋根修理や、瓦止めをシリコンではなく針金で繋げるような屋根修理もありますが、特に修理工事として多いのはこの3種類になります。
今回のお家で施工させていただく屋根修理は、雨漏りはしていなかったため、漆喰工事と瓦止め工事の2種類の修理工事をさせていただきます。
ただ、屋根修理を行う際には注意が必要な部分もあります。
漆喰工事は、新しい漆喰を塗る前に、既存の漆喰を剥がさなくてはいけません。
既存の漆喰の上から漆喰を塗ってしまうと、古い漆喰が剥がれるのと同時に、新しい漆喰が剥がれてしまうためです。
修理工事を行う際に、ごくごくまれに既存の漆喰を剥がした後ろから、更に古い漆喰が出てくることもあり、
そういったお家で話を聞いてみると、やはり、前回の屋根修理工事からあまり時間が経っていない事が多いです。
また、瓦止め工事も、波打っている瓦の、山の部分にシリコンを打たなくてはいけません。
底の部分にシリコンを打ってしまうと、瓦の内側に入ってしまった雨水を外に逃がす経路が無くなってしまいます。
これらの事に注意をし、屋根修理を行います。